命題 I.47 · 定理
直角三角形において、直角に対する辺の上の正方形は、直角をはさむ 2 辺の上の正方形の和に等しい。
赤い丸の点はドラッグできます。図が変わっても、証明の各段階はそのまま成り立ちます。
- ABC を角 BAC が直角である直角三角形とする。主張:BC の上の正方形は、BA、AC の上の正方形の和に等しい。(A をドラッグすると BC 上の半円に沿って動くので、角は直角のまま保たれます。)
- BC の上に正方形 BDEC を、BA、AC の上に正方形 GB、HC を描く。命題 I.46命題 I.46:与えられた直線の上に正方形を描くこと。
- A を通り、BD または CE に平行に AL を引く。命題 I.31命題 I.31:与えられた点を通って、与えられた直線に平行な直線を引くこと。
- AD、FC を結ぶ。公準 1公準 1:任意の点から任意の点へ直線を引くこと。
- 角 BAC、BAG はどちらも直角だから、直線 BA とその上の点 A において、同じ側にない 2 直線 AC、AG が隣り合う角の和を 2 直角に等しくする。よって CA は AG と一直線をなす。同じ理由で、BA も AH と一直線をなす。定義 22命題 I.14定義 22:四辺形のうち、等辺かつ直角であるものを正方形、直角であるが等辺でないものを長方形、等辺であるが直角でないものをひし形、向かい合う辺と角が互いに等しいが等辺でも直角でもないものを長斜方形という。これら以外の四辺形は台形とよぶことにする。命題 I.14:ある直線とその上の点において、同じ側にない 2 直線が隣り合う角の和を 2 直角に等しくするならば、その 2 直線は一直線をなす。
- 角 DBC は角 FBA に等しい。どちらも直角だからである。それぞれに角 ABC を加えると、角 DBA 全体は角 FBC 全体に等しい。公準 4公理 2公準 4:すべての直角は互いに等しいこと。公理 2:等しいものに等しいものが加えられれば、全体は等しい。
- DB は BC に、FB は BA に等しいから、2 辺 AB、BD は 2 辺 FB、BC にそれぞれ等しく、角 ABD は角 FBC に等しい。よって底辺 AD は底辺 FC に等しく、三角形 ABD は三角形 FBC に等しい。命題 I.4命題 I.4:2 つの三角形が 2 辺をそれぞれ 2 辺に等しくもち、等しい直線にはさまれた角が等しいならば、底辺も底辺に等しく、三角形は三角形に等しく、残りの角も残りの角にそれぞれ等しい。
- 平行四辺形 BL は三角形 ABD の 2 倍である。同じ底辺 BD をもち、同じ平行線 BD、AL の間にあるからである。また正方形 GB は三角形 FBC の 2 倍である。同じ底辺 FB をもち、同じ平行線 FB、GC の間にあるからである。命題 I.41命題 I.41:平行四辺形が三角形と同じ底辺をもち、同じ平行線の間にあれば、平行四辺形は三角形の 2 倍である。
- 等しいものの 2 倍は互いに等しい。よって平行四辺形 BL は正方形 GB にも等しい。
- 同様に、AE、BK を結べば、三角形 ACE が三角形 KCB に等しいことが示される。平行四辺形 CL は前者の 2 倍、正方形 HC は後者の 2 倍である。命題 I.4命題 I.41命題 I.4:2 つの三角形が 2 辺をそれぞれ 2 辺に等しくもち、等しい直線にはさまれた角が等しいならば、底辺も底辺に等しく、三角形は三角形に等しく、残りの角も残りの角にそれぞれ等しい。命題 I.41:平行四辺形が三角形と同じ底辺をもち、同じ平行線の間にあれば、平行四辺形は三角形の 2 倍である。
- よって平行四辺形 CL は正方形 HC にも等しい。
- よって正方形 BDEC 全体は、2 つの正方形 GB、HC の和に等しい。正方形 BDEC は BC の上に、正方形 GB、HC は BA、AC の上に描かれている。よって辺 BC の上の正方形は、辺 BA、AC の上の正方形の和に等しい。公理 2公理 2:等しいものに等しいものが加えられれば、全体は等しい。
これが証明すべきことであった。