ユークリッド原論 第1巻

定義 23 · 公準 5 · 公理 5 · 命題 48

命題 I.7 · 定理

同じ直線上に、その両端から同じ側に、1 点で交わる 2 直線にそれぞれ等しく、別の点で交わる 2 直線を作ることはできない。

赤い丸の点はドラッグできます。図が変わっても、証明の各段階はそのまま成り立ちます。
  1. 直線 AB の上に、両端 A、B から 2 直線 AC、CB を作り、点 C で交わるとする。主張:AB の同じ側に、A、B から別の点 D で交わる 2 直線 AD、DB を、AD が AC に、DB が CB に等しくなるように作ることはできない。
  2. できたと仮定する。AD が AC に、DB が CB に等しく、D は同じ側の別の点とする。(そのような D は実際には描けません。表示の D は説明用の仮の点で、ドラッグできます。)
  3. CD を結ぶ。AC は AD に等しいから、角 ACD は角 ADC に等しい。
    公準 1命題 I.5
    公準 1:任意の点から任意の点へ直線を引くこと。
    命題 I.5:二等辺三角形の底角は互いに等しく、等しい 2 直線を延長すれば、底辺の下の角も互いに等しい。
  4. よって角 ADC は角 DCB より大きい。ゆえに角 CDB は角 DCB よりはるかに大きい。
    公理 5
    公理 5:全体は部分より大きい。
  5. また CB は DB に等しいから、角 CDB は角 DCB に等しい。しかしはるかに大きいことが示されたので、これは不可能である。よってそのような D は存在しない。
    命題 I.5
    命題 I.5:二等辺三角形の底角は互いに等しく、等しい 2 直線を延長すれば、底辺の下の角も互いに等しい。
  6. 直接見るなら:A を中心とし AC を半径とする円と、B を中心とし BC を半径とする円は、AB のこちら側では C だけで交わる。